訪問・在宅・往診歯科診療

口腔ケアで誤嚥性肺炎の予防



誤嚥性肺炎とは

嚥下障害などにより、口腔内の細菌が気道に入り込むことでおきる肺炎です。誤嚥性肺炎を発症すると熱、咳、痰の三兆候のみでなく、元気がなくなります。



要介護高齢者の直接的死亡原因

口腔ケアを実施した人と実施しなかった人を比べると、肺炎の発生率は40パーセント減少させる効果があります。

       グラフ



口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防と、他の様々な効果

誤嚥性肺炎のメカニズムを考えたときに、さまざまな口腔ケアの予防効果が期待できます。

1) 器質的口腔ケアにより、口腔と咽頭の細菌数が減少する。
専門的口腔ケアを実施した場合と実施しなかった場合の咽頭部総細菌数の変化

平均生菌数グラフ


口腔ケアを実施した場合では、総細菌数は調査期間中減少し続け5ヶ月目には開始前の約1/10となった。
弘田克彦ら、プロフェッショナル・オーラル・ヘルス・ケアを受けた咽頭細菌数の変動、????、34、1997より引用改定


2) 継続した口腔ケアによって、要介護高齢者の嚥下するまでの時間が短縮し、誤嚥の予防につながる。
嚥下機能に対する器質的口腔ケアの効果

嚥下機能に対する器質的口腔ケアの効果グラフ

口腔ケアによって嚥下反射の促す物質であるサブサタンスP(SP)の増加と嚥下するまでの時間(LTSR)の短縮が認められた。
Yoshino,A,at al;Daily Oral Care and Risk Fsctors for Pneumonls
among Elderly Nursing Home Patients JAMA 2001引用改定


3) 機能的口腔ケアによって、舌や口唇などの口腔機能が改善し、食べる量が増え、
栄養状態の改善が図られる。これにより、免疫説の向上につながる。

老人ホームでは、潜在的に低栄養素(血清アルブミン値が、3.5g/dl以下)の人が、30〜40%前後いるといわれています。その多くが口腔の機能に問題があることが、最近の研究で示唆されています。介護予防の取り組みのひとつとして、歯科医師や歯科衛生士が、口腔機能の低下を起こしつつある人に対し、義歯を調整することなどにより口腔機能を引き出し、栄養状態が改善するということが、明らかになってきました。

血清アルブミンの推移
血清アルブミンの推移グラフ

菊谷武ら、介護老人福祉施設における利用者の口腔機能が誤嚥改善に与える影響、自宅医療、第41巻第4号別刷、2004より引用改定




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